嘘
小説にする場合、自分の体験をそのまま書くと、かえってうそ臭くて、いかにもでっち上げた話になってしまうから不思議です。
例えばこんなふうにです。
私は,産後の肥立ちが悪く、しばらく死線をさまよいました。
その時の記憶が,夢によるものなのか、臨死体験?と呼べるものなのか。本当のところは私にもよくわかりません。
それは、たぶん私の意識が混濁していた時の記憶だと思います。しかし気持ち悪いくらいはっきり残っているのです。
そこは、だたっぴろい温泉のようなところなのです。湯気が霧のようにあたりにたちこめていました。
たくさんのヒトが、その温泉につかっているのです。
・・・で私は、「あなたも早く入ってきなさいよ。」とかなんとか,中にいるヒトに誘われるのです。
でも私は,そうする気にどうしてもなれず、少し離れたところからぼんやりその光景を眺めているのです。
なんでこんなところにおるんやろう?
いつからここにいるんやろう?
自分の置かれている状況がさっぱり把握できず混乱しているのです。
あれこれ考えながらも,その場所が、この世でないような気がなんとなくは、しているんです。
ではいったいどこやねん?とたずねられても
よくわからないのです。
いったいどこやったんやろ?
意識を取り戻した時は、別の病院の、ベッドの上だったのです。
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